|
マタイ受難曲 |
マタイによる福音書(新共同訳聖書) |
CDナンバー |
|
(リヒター盤) |
|
|
|
第1部 |
|
DISC1 |
|
|
<イエスを殺す計略> |
|
1 |
合唱 |
Nデーツィウスによるコラール |
1 |
2 |
レチタティーヴォ |
26:1 イエスはこれらの言葉をすべて語り終えると、弟子たちに言われた。 |
2 |
|
|
26:2 「あなたがたも知っているとおり、二日後は過越祭である。人の子は、十字架につけられるために引き渡される。」 |
|
3 |
コラール |
Jへールマン作コラール |
3 |
4 |
レチタティーヴォ |
26:3 そのころ、祭司長たちや民の長老たちは、カイアファという大祭司の屋敷に集まり、 |
4 |
|
|
26:4 計略を用いてイエスを捕らえ、殺そうと相談した。 |
|
5 |
合唱 |
26:5 しかし彼らは、「民衆の中に騒ぎが起こるといけないから、祭りの間はやめておこう」と言っていた。 |
5 |
|
|
<ベタニアで香油を注がれる> |
|
6 |
レチタティーヴォ |
26:6 さて、イエスがベタニアで重い皮膚病の人シモンの家におられたとき、 |
6 |
|
|
26:7 一人の女が、極めて高価な香油の入った石膏の壺を持って近寄り、食事の席に着いておられるイエスの頭に香油を注ぎかけた。 |
|
|
|
26:8 弟子たちはこれを見て、憤慨して言った。 |
|
7 |
合唱 |
26:8 「なぜ、こんな無駄遣いをするのか。 |
7 |
|
|
26:9 高く売って、貧しい人々に施すことができたのに。」 |
|
8 |
レチタティーヴォ |
26:10 イエスはこれを知って言われた。「なぜ、この人を困らせるのか。わたしに良いことをしてくれたのだ。 |
8 |
|
|
26:11 貧しい人々はいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。 |
|
|
|
26:12 この人はわたしの体に香油を注いで、わたしを葬る準備をしてくれた。 |
|
|
|
26:13 はっきり言っておく。世界中どこでも、この福音が宣べ伝えられる所では、この人のしたことも記念として語り伝えられるだろう。」 |
|
9 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
ピカンダー「涙のしずく」のモティーフ |
9 |
10 |
アリア |
ピカンダー「涙のしずく」のモティーフ |
10 |
11 |
レチタティーヴォ |
<ユダ、裏切りを企てる> |
|
|
|
26:14 そのとき、十二人の一人で、イスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところへ行き、 |
11 |
|
|
26:15 「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と言った。そこで、彼らは銀貨三十枚を支払うことにした。 |
|
|
|
26:16 そのときから、ユダはイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。 |
|
12 |
アリア |
|
12 |
13 |
レチタティーヴォ |
26:17 除酵祭の第一日に、弟子たちがイエスのところに来て、 |
13 |
14 |
合唱 |
26:17 「どこに、過越の食事をなさる用意をいたしましょうか」と言った。 |
14 |
15 |
レチタティーヴォ |
26:18 イエスは言われた。「都のあの人のところに行ってこう言いなさい。『先生が、「わたしの時が近づいた。お宅で弟子たちと一緒に過越の食事をする」と言っています。』」 |
15 |
|
|
26:19 弟子たちは、イエスに命じられたとおりにして、過越の食事を準備した。 |
|
|
|
26:20 夕方になると、イエスは十二人と一緒に食事の席に着かれた。 |
|
|
|
26:21 一同が食事をしているとき、イエスは言われた。「はっきり言っておくが、あなたがたのうちの一人がわたしを裏切ろうとしている。」 |
|
|
|
26:22 弟子たちは非常に心を痛めて、「主よ、まさかわたしのことでは」と代わる代わる言い始めた。 |
|
16 |
コラール |
Pゲールハルト作コラール |
16 |
17 |
レチタティーヴォ |
26:23 イエスはお答えになった。「わたしと一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が、わたしを裏切る。 |
17 |
|
|
26:24 人の子は、聖書に書いてあるとおりに、去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。生まれなかった方が、その者のためによかった。」 |
|
|
|
26:25 イエスを裏切ろうとしていたユダが口をはさんで、「先生、まさかわたしのことでは」と言うと、イエスは言われた。「それはあなたの言ったことだ。」 |
|
|
|
<主の晩餐> |
|
|
|
26:26 一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えながら言われた。「取って食べなさい。これはわたしの体である。」 |
|
|
|
26:27 また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。「皆、この杯から飲みなさい。 |
|
|
|
26:28 これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。 |
|
|
|
26:29 言っておくが、わたしの父の国であなたがたと共に新たに飲むその日まで、今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」 |
|
18 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
18 |
19 |
アリア |
|
19 |
20 |
レチタティーヴォ |
26:30 一同は賛美の歌をうたってから、オリーブ山へ出かけた。 |
20 |
|
|
<ペトロの離反を予告する> |
|
|
|
26:31 そのとき、イエスは弟子たちに言われた。「今夜、あなたがたは皆わたしにつまずく。『わたしは羊飼いを打つ。すると、羊の群れは散ってしまう』/と書いてあるからだ。 |
|
|
|
26:32 しかし、わたしは復活した後、あなたがたより先にガリラヤへ行く。」 |
|
21 |
コラール |
Pゲールハルト作コラール |
21 |
22 |
レチタティーヴォ |
26:33 するとペトロが、「たとえ、みんながあなたにつまずいても、わたしは決してつまずきません」と言った。 |
22 |
|
|
26:34 イエスは言われた。「はっきり言っておく。あなたは今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うだろう。」 |
|
|
|
26:35 ペトロは、「たとえ、御一緒に死なねばならなくなっても、あなたのことを知らないなどとは決して申しません」と言った。弟子たちも皆、同じように言った。 |
|
23 |
コラール |
Pゲールハルト作コラール |
23 |
24 |
レチタティーヴォ |
<ゲツセマネで祈る> |
24 |
|
|
26:36 それから、イエスは弟子たちと一緒にゲツセマネという所に来て、「わたしが向こうへ行って祈っている間、ここに座っていなさい」と言われた。 |
|
|
|
26:37 ペトロおよびゼベダイの子二人を伴われたが、そのとき、悲しみもだえ始められた。 |
|
|
|
26:38 そして、彼らに言われた。「わたしは死ぬばかりに悲しい。ここを離れず、わたしと共に目を覚ましていなさい。」 |
|
25 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
25 |
26 |
アリア |
|
26 |
27 |
レチタティーヴォ |
26:39 少し進んで行って、うつ伏せになり、祈って言われた。「父よ、できることなら、この杯をわたしから過ぎ去らせてください。しかし、わたしの願いどおりではなく、御心のままに。」 |
27 |
28 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
28 |
29 |
アリア |
|
29 |
|
|
|
|
|
|
|
DISC2 |
30 |
レチタティーヴォ |
26:40 それから、弟子たちのところへ戻って御覧になると、彼らは眠っていたので、ペトロに言われた。「あなたがたはこのように、わずか一時もわたしと共に目を覚ましていられなかったのか。 |
1 |
|
|
26:41 誘惑に陥らぬよう、目を覚まして祈っていなさい。心は燃えても、肉体は弱い。」 |
|
|
|
26:42 更に、二度目に向こうへ行って祈られた。「父よ、わたしが飲まないかぎりこの杯が過ぎ去らないのでしたら、あなたの御心が行われますように。」 |
|
31 |
コラール |
アルブレヒト作コラール |
2 |
32 |
レチタティーヴォ |
26:43 再び戻って御覧になると、弟子たちは眠っていた。ひどく眠かったのである。 |
3 |
|
|
26:44 そこで、彼らを離れ、また向こうへ行って、三度目も同じ言葉で祈られた。 |
|
|
|
26:45 それから、弟子たちのところに戻って来て言われた。「あなたがたはまだ眠っている。休んでいる。時が近づいた。人の子は罪人たちの手に引き渡される。 |
|
|
|
26:46 立て、行こう。見よ、わたしを裏切る者が来た。」 |
|
|
|
<裏切られ、逮捕される> |
|
|
|
26:47 イエスがまだ話しておられると、十二人の一人であるユダがやって来た。祭司長たちや民の長老たちの遣わした大勢の群衆も、剣や棒を持って一緒に来た。 |
|
|
|
26:48 イエスを裏切ろうとしていたユダは、「わたしが接吻するのが、その人だ。それを捕まえろ」と、前もって合図を決めていた。 |
|
|
|
26:49 ユダはすぐイエスに近寄り、「先生、こんばんは」と言って接吻した。 |
|
|
|
26:50 イエスは、「友よ、しようとしていることをするがよい」と言われた。すると人々は進み寄り、イエスに手をかけて捕らえた。 |
|
33 |
二重唱アリア |
|
4 |
34 |
レチタティーヴォ |
26:51 そのとき、イエスと一緒にいた者の一人が、手を伸ばして剣を抜き、大祭司の手下に打ちかかって、片方の耳を切り落とした。 |
5 |
|
|
26:52 そこで、イエスは言われた。「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる。 |
|
|
|
26:53 わたしが父にお願いできないとでも思うのか。お願いすれば、父は十二軍団以上の天使を今すぐ送ってくださるであろう。 |
|
|
|
26:54 しかしそれでは、必ずこうなると書かれている聖書の言葉がどうして実現されよう。」 |
|
|
|
26:55 またそのとき、群衆に言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持って捕らえに来たのか。わたしは毎日、神殿の境内に座って教えていたのに、あなたたちはわたしを捕らえなかった。 |
|
|
|
26:56 このすべてのことが起こったのは、預言者たちの書いたことが実現するためである。」このとき、弟子たちは皆、イエスを見捨てて逃げてしまった。 |
|
35 |
コラール |
Sハイデン作コラール |
6 |
|
|
|
|
|
第二部 |
|
|
36 |
アリア、合唱 |
|
7 |
37 |
レチタティーヴォ |
<最高法院で裁判を受ける> |
8 |
|
|
26:57 人々はイエスを捕らえると、大祭司カイアファのところへ連れて行った。そこには、律法学者たちや長老たちが集まっていた。 |
|
|
|
26:58 ペトロは遠く離れてイエスに従い、大祭司の屋敷の中庭まで行き、事の成り行きを見ようと、中に入って、下役たちと一緒に座っていた。 |
|
|
|
26:59 さて、祭司長たちと最高法院の全員は、死刑にしようとしてイエスにとって不利な偽証を求めた。 |
|
38 |
コラール |
Aロイスナー作コラール |
9 |
39 |
レチタティーヴォ |
26:60 偽証人は何人も現れたが、証拠は得られなかった。最後に二人の者が来て、 |
10 |
|
|
26:61 「この男は、『神の神殿を打ち倒し、三日あれば建てることができる』と言いました」と告げた。 |
|
|
|
26:62 そこで、大祭司は立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか、この者たちがお前に不利な証言をしているが、どうなのか。」 |
|
|
|
26:63 イエスは黙り続けておられた。 |
|
40 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
11 |
41 |
アリア |
|
12 |
42 |
レチタティーヴォ |
26:63 大祭司は言った。「生ける神に誓って我々に答えよ。お前は神の子、メシアなのか。」 |
13 |
|
|
26:64 イエスは言われた。「それは、あなたが言ったことです。しかし、わたしは言っておく。あなたたちはやがて、/人の子が全能の神の右に座り、/天の雲に乗って来るのを見る。」 |
|
|
|
26:65 そこで、大祭司は服を引き裂きながら言った。「神を冒涜した。これでもまだ証人が必要だろうか。諸君は今、冒涜の言葉を聞いた。 |
|
|
(合唱) |
26:66 どう思うか。」人々は、「死刑にすべきだ」と答えた。 |
|
43 |
レチタティーヴォ |
26:67 そして、イエスの顔に唾を吐きかけ、こぶしで殴り、ある者は平手で打ちながら、 |
14 |
|
(合唱) |
26:68 「メシア、お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と言った。 |
|
44 |
コラール |
Pゲールハルト作コラール |
15 |
45 |
レチタティーヴォ |
<ペトロ、イエスを知らないと言う> |
16 |
|
|
26:69 ペトロは外にいて中庭に座っていた。そこへ一人の女中が近寄って来て、「あなたもガリラヤのイエスと一緒にいた」と言った。 |
|
|
|
26:70 ペトロは皆の前でそれを打ち消して、「何のことを言っているのか、わたしには分からない」と言った。 |
|
|
|
26:71 ペトロが門の方に行くと、ほかの女中が彼に目を留め、居合わせた人々に、「この人はナザレのイエスと一緒にいました」と言った。 |
|
|
|
26:72 そこで、ペトロは再び、「そんな人は知らない」と誓って打ち消した。 |
|
|
|
26:73 しばらくして、そこにいた人々が近寄って来てペトロに言った。 |
|
46 |
レチタティーヴォ |
|
17 |
|
(合唱) |
26:73「確かに、お前もあの連中の仲間だ。言葉遣いでそれが分かる。」 |
|
|
|
26:74 そのとき、ペトロは呪いの言葉さえ口にしながら、「そんな人は知らない」と誓い始めた。するとすぐ、鶏が鳴いた。 |
|
|
|
26:75 ペトロは、「鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われたイエスの言葉を思い出した。そして外に出て、激しく泣いた。 |
|
47 |
アリア |
|
18 |
48 |
コラール |
Jリスト作コラール |
19 |
49 |
レチタティーヴォ |
27:1 夜が明けると、祭司長たちと民の長老たち一同は、イエスを殺そうと相談した。 |
20 |
|
|
27:2 そして、イエスを縛って引いて行き、総督ピラトに渡した。 |
|
|
|
<ユダ、自殺する> |
|
|
|
27:3 そのころ、イエスを裏切ったユダは、イエスに有罪の判決が下ったのを知って後悔し、銀貨三十枚を祭司長たちや長老たちに返そうとして、 |
|
|
|
27:4 「わたしは罪のない人の血を売り渡し、罪を犯しました」と言った。 |
|
|
(合唱) |
27:4しかし彼らは、「我々の知ったことではない。お前の問題だ」と言った。 |
|
50 |
レチタティーヴォ |
27:5 そこで、ユダは銀貨を神殿に投げ込んで立ち去り、首をつって死んだ。 |
21 |
|
|
27:6 祭司長たちは銀貨を拾い上げて、「これは血の代金だから、神殿の収入にするわけにはいかない」と言い、 |
|
51 |
アリア |
|
22 |
52 |
レチタティーヴォ |
27:7 相談のうえ、その金で「陶器職人の畑」を買い、外国人の墓地にすることにした。 |
23 |
|
|
27:8 このため、この畑は今日まで「血の畑」と言われている。 |
|
|
|
27:9 こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。「彼らは銀貨三十枚を取った。それは、値踏みされた者、すなわち、イスラエルの子らが値踏みした者の価である。 |
|
|
|
27:10 主がわたしにお命じになったように、彼らはこの金で陶器職人の畑を買い取った。」 |
|
|
|
<ピラトから尋問される> |
|
|
|
27:11 さて、イエスは総督の前に立たれた。総督がイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」と言われた。 |
|
|
|
27:12 祭司長たちや長老たちから訴えられている間、これには何もお答えにならなかった。 |
|
|
|
27:13 するとピラトは、「あのようにお前に不利な証言をしているのに、聞こえないのか」と言った。 |
|
|
|
27:14 それでも、どんな訴えにもお答えにならなかったので、総督は非常に不思議に思った。 |
|
53 |
コラール |
Pゲールハルト作コラール |
24 |
54 |
レチタティーヴォ |
<死刑の判決を受ける> |
25 |
|
|
27:15 ところで、祭りの度ごとに、総督は民衆の希望する囚人を一人釈放することにしていた。 |
|
|
|
27:16 そのころ、バラバ・イエスという評判の囚人がいた。 |
|
|
|
27:17 ピラトは、人々が集まって来たときに言った。「どちらを釈放してほしいのか。バラバ・イエスか。それともメシアといわれるイエスか。」 |
|
|
|
27:18 人々がイエスを引き渡したのは、ねたみのためだと分かっていたからである。 |
|
|
|
27:19 一方、ピラトが裁判の席に着いているときに、妻から伝言があった。「あの正しい人に関係しないでください。その人のことで、わたしは昨夜、夢で随分苦しめられました。」 |
|
|
|
27:20 しかし、祭司長たちや長老たちは、バラバを釈放して、イエスを死刑に処してもらうようにと群衆を説得した。 |
|
|
|
27:21 そこで、総督が、「二人のうち、どちらを釈放してほしいのか」と言うと、人々は、 |
|
|
(合唱) |
27:21「バラバを」と言った。 |
|
|
|
27:22 ピラトが、「では、メシアといわれているイエスの方は、どうしたらよいか」と言うと、皆は、 |
|
|
|
27:22「十字架につけろ」と言った。 |
|
55 |
コラール |
Jへールマン作コラール |
26 |
56 |
レチタティーヴォ |
27:23 ピラトは、「いったいどんな悪事を働いたというのか」と言ったが、 |
27 |
57 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
28 |
|
|
|
|
|
|
|
DISC3 |
58 |
アリア |
|
1 |
59 |
レチタティーヴォ |
27:23 群衆はますます激しく、 |
2 |
|
(合唱) |
27:23 「十字架につけろ」と叫び続けた。 |
|
|
|
27:24 ピラトは、それ以上言っても無駄なばかりか、かえって騒動が起こりそうなのを見て、水を持って来させ、群衆の前で手を洗って言った。「この人の血について、わたしには責任がない。お前たちの問題だ。」 |
|
|
|
27:25 民はこぞって答えた。 |
|
|
(合唱) |
27:25「その血の責任は、我々と子孫にある。」 |
|
|
|
27:26 そこで、ピラトはバラバを釈放し、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。 |
|
60 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
3 |
61 |
アリア |
|
4 |
62 |
レチタティーヴォ |
<兵士から侮辱される> |
5 |
|
|
27:27 それから、総督の兵士たちは、イエスを総督官邸に連れて行き、部隊の全員をイエスの周りに集めた。 |
|
|
|
27:28 そして、イエスの着ている物をはぎ取り、赤い外套を着せ、 |
|
|
|
27:29 茨で冠を編んで頭に載せ、また、右手に葦の棒を持たせて、その前にひざまずき、「ユダヤ人の王、万歳」と言って、侮辱した。 |
|
|
(合唱) |
27:29 「ユダヤ人の王、万歳」と言って、侮辱した。 |
|
|
|
27:30 また、唾を吐きかけ、葦の棒を取り上げて頭をたたき続けた。 |
|
63 |
コラール |
Pゲールハルト作コラール |
6 |
64 |
レチタティーヴォ |
27:31 このようにイエスを侮辱したあげく、外套を脱がせて元の服を着せ、十字架につけるために引いて行った。 |
7 |
|
|
<十字架につけられる> |
|
|
|
27:32 兵士たちは出て行くと、シモンという名前のキレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に担がせた。 |
|
65 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
8 |
66 |
アリア |
|
9 |
67 |
レチタティーヴォ |
27:33 そして、ゴルゴタという所、すなわち「されこうべの場所」に着くと、 |
10 |
|
|
27:34 苦いものを混ぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはなめただけで、飲もうとされなかった。 |
|
|
|
27:35 彼らはイエスを十字架につけると、くじを引いてその服を分け合い、 |
|
|
|
27:36 そこに座って見張りをしていた。 |
|
|
|
27:37 イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王イエスである」と書いた罪状書きを掲げた。 |
|
|
|
27:38 折から、イエスと一緒に二人の強盗が、一人は右にもう一人は左に、十字架につけられていた。 |
|
|
|
27:39 そこを通りかかった人々は、頭を振りながらイエスをののしって、 |
|
|
(合唱) |
27:40 言った。「神殿を打ち倒し、三日で建てる者、神の子なら、自分を救ってみろ。そして十字架から降りて来い。」 |
|
|
|
27:41 同じように、祭司長たちも律法学者たちや長老たちと一緒に、イエスを侮辱して言った。 |
|
|
(合唱) |
27:42 「他人は救ったのに、自分は救えない。イスラエルの王だ。今すぐ十字架から降りるがいい。そうすれば、信じてやろう。 |
|
|
|
27:43 神に頼っているが、神の御心ならば、今すぐ救ってもらえ。『わたしは神の子だ』と言っていたのだから。」 |
|
68 |
レチタティーヴォ |
27:44 一緒に十字架につけられた強盗たちも、同じようにイエスをののしった。 |
11 |
69 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
12 |
70 |
アリア |
|
13 |
71 |
レチタティーヴォ |
<イエスの死> |
14 |
|
|
27:45 さて、昼の十二時に、全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 |
|
|
|
27:46 三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。「エリ、エリ、レマ、サバクタニ。」これは、「わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。 |
|
|
(合唱) |
27:47 そこに居合わせた人々のうちには、これを聞いて、「この人はエリヤを呼んでいる」と言う者もいた。 |
|
|
|
27:48 そのうちの一人が、すぐに走り寄り、海綿を取って酸いぶどう酒を含ませ、葦の棒に付けて、イエスに飲ませようとした。 |
|
|
(合唱) |
27:49 ほかの人々は、「待て、エリヤが彼を救いに来るかどうか、見ていよう」と言った。 |
|
|
|
27:50 しかし、イエスは再び大声で叫び、息を引き取られた。 |
|
72 |
コラール |
Pゲールハルト作コラール |
15 |
73 |
レチタティーヴォ |
27:51 そのとき、神殿の垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂け、地震が起こり、岩が裂け、 |
16 |
|
|
27:52 墓が開いて、眠りについていた多くの聖なる者たちの体が生き返った。 |
|
|
|
27:53 そして、イエスの復活の後、墓から出て来て、聖なる都に入り、多くの人々に現れた。 |
|
|
|
27:54 百人隊長や一緒にイエスの見張りをしていた人たちは、地震やいろいろの出来事を見て、非常に恐れ、 |
|
|
(合唱) |
27:54「本当に、この人は神の子だった」と言った。 |
|
|
|
27:55 またそこでは、大勢の婦人たちが遠くから見守っていた。この婦人たちは、ガリラヤからイエスに従って来て世話をしていた人々である。 |
17 |
|
|
27:56 その中には、マグダラのマリア、ヤコブとヨセフの母マリア、ゼベダイの子らの母がいた。 |
|
|
|
<墓に葬られる> |
|
|
|
27:57 夕方になると、アリマタヤ出身の金持ちでヨセフという人が来た。この人もイエスの弟子であった。 |
|
|
|
27:58 この人がピラトのところに行って、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出た。そこでピラトは、渡すようにと命じた。 |
|
74 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
18 |
75 |
アリア |
|
19 |
76 |
レチタティーヴォ |
27:59 ヨセフはイエスの遺体を受け取ると、きれいな亜麻布に包み、 |
20 |
|
|
27:60 岩に掘った自分の新しい墓の中に納め、墓の入り口には大きな石を転がしておいて立ち去った。 |
|
|
|
27:61 マグダラのマリアともう一人のマリアとはそこに残り、墓の方を向いて座っていた。 |
|
|
|
<番兵、墓を見張る> |
|
|
|
27:62 明くる日、すなわち、準備の日の翌日、祭司長たちとファリサイ派の人々は、ピラトのところに集まって、 |
|
|
(合唱) |
27:63 こう言った。「閣下、人を惑わすあの者がまだ生きていたとき、『自分は三日後に復活する』と言っていたのを、わたしたちは思い出しました。 |
|
|
(合唱) |
27:64 ですから、三日目まで墓を見張るように命令してください。そうでないと、弟子たちが来て死体を盗み出し、『イエスは死者の中から復活した』などと民衆に言いふらすかもしれません。そうなると、人々は前よりもひどく惑わされることになります。」 |
|
|
|
27:65 ピラトは言った。「あなたたちには、番兵がいるはずだ。行って、しっかりと見張らせるがよい。」 |
|
|
|
27:66 そこで、彼らは行って墓の石に封印をし、番兵をおいた。 |
|
77 |
レチタティーヴォ・アコンバニャート |
|
21 |
78 |
集結合唱 |
|
22 |